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        2004年奇数月憲法学習会
        〜 結城教授と憲法を学ぼう 〜
 
 主催 倶知安で憲法を守る会
   私たちは日本国憲法を意識して暮らしているだろうか?
   「区切りがいいから」と言って改憲派は2008年に憲法改正を設定して
   います。私たち住民が改憲の是非を判断する前提として、憲法の学習機会
   が必要と思い開催しています。
   9条が目指す理念とは、人権とは何か、憲法と日常生活の関係をこの機会
   に再確認。
 
 
第1回 2004.07.30 「憲法と平和」
    ところ 倶知安労働福祉センター
 
 国連憲章が定める安全保障体制と憲法9条が目指す国際秩序と日本の関係につい
て考えてみました。
 
1 平和思想史概観
 ヘブライ「神はもろもろの国の間に裁きを行い、多くの民の為に仲裁に立たれる。
こうして彼らは剣を打ち変えて、鍬とし・・もはや戦いのことを学ばない。」(イ
ザヤ2の4)−> 国際連合の標語となる。
 新約聖書「剣をとる者は皆、剣で滅びる」(マタイ26の52)
 
2 主要概念
  戦力:対外的防衛。対内的治安維持は警察力。
  交戦権:国際法上、交戦団体に認められる権利。戦争を行う権利。
  自然権:他人からもらったり、国家が作って保証してくれた権利ではなく、自
     然や神が与えてくれた権利。不可侵の権利。人権思想の基礎概念。
  自衛権:「単に将来の攻撃を想定するだけでは自衛権発動は認められない」
  集団的安全保障:「国際社会の相違として平和破壊者に対して国連加盟国全体
         が平和の回復維持を行うこと」
 
3 日本国憲法9条に関する政府見解の推移
 1946.02.05 吉田首相「自衛権を否定してはおりませぬが・・一切の
軍備と交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も否定したもの」
 1954.12.22 鳩山内閣統一見解「自国に対して武力攻撃が加えられた
場合に国土を防衛する手段として武力を行使することは憲法に違反しない」
 1964.06.25 田中内閣統一見解「自衛力というものは観念的にまた数
学的に決めえるもんじゃない」
 1969.04.08 政府答弁書「いわゆる海外派兵は、自衛権の限界を超え
るが故に憲法上許されない」
 
4 憲法9条の目指す国際秩序と日本の関係
 武力による威嚇は何時かは本当に武力を行使せざるを得なくなる。戦争に対して
中立を守るのが平和を愛する国の正しい態度。
 
5 日本の現状(有事関連7法案)
 内閣総理大臣を頂点とする統制権限を規定することに腐心し、国民に対する具体
的救援内容は、先送りして政府の胸先三寸に任せる、実際の救援業務は地方自治体
に丸投げする形をとっている。国民には具体的な協力義務が課せられ、違反者には
罰則が科せられる。
 
 
第2回 2004.09.29 「憲法と人権」
    ところ 倶知安労働福祉センター
 
 人権とは何か? 日本国憲法における人権保障の内容、日本における人権状況に
ついて考えてみました。
 
1 人権とは何か
 正義の概念。国家を想定することなしにも観念される権利。国民か外国人か大人
か子供かを問わず、すべての人に認められる権利。
 
2 日本国憲法における人権保障の内容
 他人の人権を侵害する形で行使してはならない。幸福追求権、平等、思想良心の
自由、信教の自由・政教分離、表現の自由、学問の自由、教育を受ける権利、生存
権、労働基本権、財産権、職業選択・移動・国籍離脱の自由、参政権、不利益処分
に関する手続き上の権利等。
 
3 日本における人権(憲法)状況
 社会全般:過剰規制と「お目こぼし」がセットになり、癒着と差別の温床となっ
ている。
 日の丸君が代の強制:思想良心の自由に対する侵害。
 教育:「教育の自治」が崩壊している(教科書検定、教育委員会任命制等)
 個人情報保護法:言論弾圧と弱者のプライバシー野ざらしがセット。
 住基ネット:個人情報垂れ流しシステム。
 社会保障:外国人には生活保護受給権を全く認めていない。(塩見訴訟)
 刑事手続きと冤罪:人権は空洞化。裁判官が捜査機関の追認機関になっている。
  マスコミは捜査機関のリーク情報を無批判に垂れ流している。
  国民が「お上」意識から脱却できていない。
  国民の中に「推定無罪の原則」が欠落し、犯罪報道を娯楽として楽しむ。
  被害者の人権を保障し、損害を補填するシステムの欠落。
   −> 「被疑者バッシング」の心理的土壌形成。
 現実的に人権を保障する国内の法律が整備されないと、絵に描いた餅に。(公衆
 浴場の人種差別など)
 
 我が国は、政府が人権保障に消極的。裁判所は追認。日本国民は人権意識が希薄。
民主主義意識が希薄であることを表している。
 憲法上明記された人権が蹂躙され、それが放置され続けている。人権こそ、民主
主義の基礎であるという原理を認識する必要がある。
 
 
第3回 2004.11.26 「憲法と私たち(自治)」
    ところ 倶知安労働福祉センター 18:00〜
 
 「憲法に守られてきた私たち」とは、どのようないみなのであろうか?
 そして、「憲法を守る私たち」とはどのようなことをいみするのであろうか?
 憲法と私たちの日常生活はどう結びついており、また、どうむすびついて
いくべきなのであろうか?
 
   「憲法と私たち(自治)」
 
 法律用語は難しいので、自分たちの身近なもの、町内会の規則、親睦会の会則だ
と思って考えてみよう。
 
1 憲法とは何か
 国家の最高法規。ほかの法令はその下位に従属する。
根拠:制定者が国家の最高権力者(=主権者=国民が自ら制定したもの)である。
 
2 国民主権:社会(国家)の目的
 
 ・民主主義と弱者に対する社会的扶助
 国家は、我々が各人の幸福の確保・増進のために作り上げ、必要性を承認してき
たもの。
国家の中で野垂れ死にしなければならないとしたら、その人にとっては国家の必要
性はどこにもない。こうした人に国家が無力なら、民主主義国家理論そのものが破
綻する。
 だから、民主主義を唱えた人々は、野放図な富の蓄積を制限し、貧窮にあえぐ人
々に対する国家的救済を提唱している。
 これが生存権の保障である。
 弱者に対する社会的保護・救済は、国家の恩恵ではない。国家の存在理由の一つ
であり、国家の義務である。
 国民が国家に対し、生存権の保障を求めることは、国家を承認する条件であり国
民の権利である。
 「自己責任」という言葉は聞こえは良いが、すべて自己責任ですむなら社会共同
体は必要ない。
 
3 憲法改正の主張をめぐる問題点
 
・天皇を「元首」
 一般的な用語に従うなら、国民主権国家において国民代表以外の者を「国家の頭」
と位置づけるのは妥当ではない。
 
・「国家と国民が協力し合う」
 この意味は、国家と国民が分離していると考えているから、このような言葉遣い
になるということ。
 「自分の思っているものが国家。それ以外の考えを持つ者は、非国民。」という
考えのうえに立って考えているということ。
 
 国民と区別される国家とは何か。
 国民主権原理に従えば、国家とは国民の総体以外の何者でもない。
 政府は国家ではない。単に国民の従僕にすぎない。
 
・「婚姻・家族における男女平等の見直し」
 なぜ、どのように見直さなければならないのか。根拠を見いだすことは不可能。
 
・住民投票の乱用防止策の必要性
 本来は住民が決定権を持つべきもの。本来は直接民主制が国を運営する上では理
想であるが、手間がかかるから間接民主制をやっているだけ。
 
・憲法改正手続きの簡素化
 国会議員の都合でルールを自由勝手に決められるようにするということ。
 国民から主権を簒奪するということになる。
 
 
参考
 
 メーデーとは?
 
 1886年5月1日。アメリカの労働者は、1日8時間労働法制を求めて全米ゼ
ネストを決行した。
 このとき、アメリカ政府は徹底的に弾圧を行い、シカゴでは多数の死傷者が出て
いる。
 ストライキの指導者には、死刑判決が下された。
 この弾圧に抗議し、8時間労働法制を求めて、世界各国で5月1日にゼネストが
行われることになった。
 
 
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