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講演会が開催され、司会を担当しました。
市町村合併の流れが進んでいますが、自治体財政の課題は山積みです。これから
は、今あるものをいかにうまく使いこなし、低コストで自然の力をいかに利用して
いくかが大切な時代になります。都会に本社のある大手業者に頼らない、地元小規
模業者の技術で可能な事業を模索していかなければなりません。そこで財政課題に
対する回答を模索する手段の一つとして、次のとおり研修会がありました。
今回お話をしていただいたのは、信州大学繊維学部応用生物科学科教授
中本 信忠 様です。
安全でおいしい水道水と生物、現代に通用する古い技術の再認識、緩速ろ過の話
です。
現在、「生でおいしい水道水」というタイトルで出版し、緩速ろ過処理
(slow sand filtration)の素晴らしさを一般の方にお知らせしています。
詳しくお知りになりたい方は、この本をお読みください。築地書館から出ています。
ちなみに2,000円です。
1 日時 2004年2月8日(日)13:00〜
2 場所 後志支庁裏 車庫棟2階 4号会議室
3 内容
安全でおいしい水道水と生物
〜現代に通用する古い技術の再認識〜(緩速ろ過の話)
信州大学繊維学部応用生物科学科 教授 中本信忠
略歴
1965年東京都立大学理学部卒;1968年東京都立大学大学院(理学研究科)修士課
程修了 ;1971年東京都立大学大学院(理学研究科)博士課程修了;1973年日本学
術振興会奨励研究員 終了;1975年信州大学助手;1981年助教授;1990年教授
現在、「生でおいしい水道水(築地書館)」を出版し、緩速ろ過処理の素晴らし
さを皆に知らせようとしていますslow sand filtration。バングラデッシュでの砒素汚
染でも緩速ろ過で安全な飲み水をつくろうとしています。
「生でおいしい水道水(築地書館)」
・・・本の帯封のキャッチフレーズ
いつから水道水をあきらめ、ガソリンの2倍もする水を買い求めるようになった
のか。安くておいしい水道水ができないのは、水道原水の汚染が原因ではなく、水
処理の方法に問題があったからだった。水道水の緩速ろ過技術研究の第一人者が書
き下ろした、安く、おいしく、安全、と三拍子そろった「水道水」復活の」技術。
日本は軟水で安全な水が豊富なので、生水を飲む習慣がある。塩素の臭いは安全
と言われ、それを信じ、魚が死ぬ水を日本人は腸管の中に入れてしまった。とんで
もないことだ。欧米では塩素で殺菌消毒した安全といわれる水をほとんど飲んでい
ない。欧米は硬水が多いので、細菌学的に安全でも生水を飲まない。食器洗い、洗
顔、洗濯、歯磨きなどに清澄で安全な水をほしかった。
緩速ろ過処理なら飲みたくなるおいしい水をつくるのは簡単です。皆が声をだす
ことです。
ゆっくりと流れがある環境では、糸状形態の藻類が繁茂します。流れに逆らって
繁茂します。光合成生物は酸素を生産しますので、酸素が豊富な環境にし、好気的
生物の活動をしやすいようにします。糸状構造、生物がつくる織物構造がキーポイ
ントでした。これも繊維学部の狙いと関係がありました。緩速ろ過処理はゆっくり
の生物処理で、生物群集とその生態系の上手な利用です。
講演内容 ( 聞き取りメモです )
長野県上田市の浄水場は緩速ろ過です。
1池(780m2)で1万人分(3,744t)の水道水を供給できます。
緩速ろ過は効率が古くさく悪いイメージがありますが、そんなことはありません。
効率がいいのです。
この前、私の本を見たと言うことで、山口県岩国市(100% 急速ろ過)の水道
局長から電話がありました。
自分の飼っている犬は水道水を与えても飲まないが、雨水は飲む。
塩素が入っている水は飲まない塩素。犬は本能で塩素を毒と認識している。
犬が飲まない水を供給するのはおかしいと思い、水道水についての本をいろいろ読
んで、「水道水に塩素はいらない」と書いてあるのは私の本だけだったということ
で、緩速ろ過について詳しく教えてほしいという電話でした。
大きな都市は今、急速ろ過が主流です。
札幌市も急速ろ過です。(藻岩など)
1945年以降、日本中の水道水が塩素臭い水になりました。
米軍の野戦基準(高濃度塩素添加)のままの状態が今日まで続いています。
1972年、オランダ アムステルダム水道(ライン川)で塩素投入でホルマリ
ンができることが報告されました。
1974年、アメリカ ミシシッピ州で発ガン性の疫学調査が行われ、水道水中の
有機物(腐食物質)と塩素が関係していることがわかり、塩素処理が原因で発ガン
率が高まることが報告されました。
緩速ろ過の歴史についてお話しします。
英語でslow sand filtration と言います。
日本で言うと、江戸時代、1804年にスコットランドで緩速ろ過は始まりました。
産業革命の時期で繊維産業が栄え、染色・脱色工程に大量のきれいな水が必要でし
た。
川の水をゆっくりと砂ろ過すると簡単にきれいな水ができることに気づき、緩速ろ
過が始まりました。
工場で使っても大量に余ったので、ワイン樽に詰めて街で売り歩きました。
これが水道の起源と言われています。
また、緩速ろ過は伝染病にならないということもわかりました。
ドイツでコレラが流行したとき、緩速ろ過で飲み水を供給している街ではほとんど
コレラ患者が出ませんでした。
日本では、明治から横浜、函館、小樽、呉など軍港で緩速ろ過が採用されました。
国にとって重要な都市を優先的に病原菌から守ろうとした背景がありました。
アメリカでも緩速ろ過が採用されましたが、河川の濁り(岩石が風化した細かな
粒子)が砂ろ過池を頻繁に泥で詰まらせました。
そこで、1885年、薬品(硫酸アルミニウム)で濁りを固め、最後に塩素で殺菌
消毒して細菌学的に安全な水道水をつくる方法を考えました。
いわゆる急速ろ過 rapid sand filtration です。
新しい技術であり、rapid速いという名前がカッコ良かったので、人々はこの方法
を好んで採用しました。
この方法は薬品会社がもうかる方法です。
急速ろ過は薬品を大量に使い各種機械を使いこなさなければならないので薬品業
者・機械業者が儲かりますので、水道専門のコンサルタントに聞けば急速ろ過・膜
処理を勧められます。
急速ろ過の浄水場のパンフレットは大変立派です。
コンサル業者がサービス(無料)で作ってくれます。
急速ろ過は効率がよいと書かれています。
しかし効率がいいのはろ過池だけのことで全行程の効率ではないのです。
当たり前かもしれませんが、業者が作るパンフレットに自分たちの都合の悪いこと
は書きません。
緩速ろ過は一度作ると、100年以上持つので(アイルランドでは140年間使
っている所もある)経費(コスト)はあまりかかりません。
自然の仕組みを利用するだけなので維持管理も楽です。
業者は勧めません。お金がかかりませんから。
上田市の浄水場を見て緩速ろ過の研究をして「けい藻が繁茂すると良い」と発表
したら、「そうじゃない所もあるので、いろいろな所を見た方が良い」とアドバイ
スされたので、いろいろな緩速ろ過の浄水場を世界各国を見て歩きました。
見て歩いた結果、緩速ろ過にはその土地の「季節性」(気温、天気)に左右され
るので、工学系の人には理解できない要素があることがわかりました。
急速ろ過は工学の人でも理解できます。
1974年、日本でもトリハロメタン騒ぎがおき、塩素投入に不安が出てきまし
た。
東京ではこの頃、ろ過池に塩素を入れた緩速ろ過を行っていました。
生物処理の緩速ろ過に生物を殺してしまう塩素投入はまちがいです。
ヨーロッパでは、茶色の水に塩素を入れると発ガン物質ができるため、塩素投入
はやめました。
生物処理(緩速ろ過)とはどういうメカニズムかというのをお話しします。
微生物が濁り(細菌、ウイルス)をエサとして食べます。
消化できるものは消化してできないものは糞(ペレット)として排出されます。
糞は嫌気的になり発酵がおこり、分解されなかった有機物も分解され、再び
微生物のエサになります。
これが繰り返され、有機物がない(AOCが低い)水になります。
濁度が低い水になります。塩素殺菌は必要ありません。
AOCとは、水中の有機系炭素のうち微生物がその増殖に必要な栄養源として
利用できる有機性炭素のことです。微生物増殖の指標として用いられます。
AOCがゼロなら微生物は生存できないので、塩素消毒も残留塩素も必要ありま
せん。長期間冷蔵庫で保管しても水が腐りません。
水質基準では濁度 0.1度以下を守ることが推奨されています。
急速ろ過はこれを守るだけでも大変な作業です。
緩速ろ過なら、悪くても濁度0.01度です。
簡単にきれいな水を作れます。
ビール会社の宣伝文句に「天然水仕込み。水道水は使っていません。」というの
がありますが、日本での水道水は「塩素臭くてダメ」というイメージだからです。
水道法のトップは、塩素投入を変えたいと思っています。
でも、それを言えません。
なぜ、緩速ろ過の宣伝をできないのかというと、研究費が出るのは問題の多い急速
ろ過・膜処理です。緩速ろ過には何の問題もないので、研究費は出ません。
では、なぜ私が緩速ろ過の宣伝が出来るのかというと、今現在のヨーロッパ・
アメリカの主流は、塩素無添加・緩速ろ過だからです。
皆さんが世界の主流を知ったとき、塩素無添加・緩速ろ過に変わることを業界も
うすうす感じているからです。
人は塩素臭い水を安全な水と教育され飲んできました。塩素は毒です。殺菌剤、
脱色剤、酸化剤です。強い水泳選手が茶髪になるのはプールに入れる塩素のためで
す。
金魚が死ぬ水、野生動物が飲まない水。それは塩素臭い水です。水族館にいる
ペンギンやイルカは塩素臭い水で大丈夫です。肺呼吸しているから。塩素臭い水を
飲んでいません。
大量に病原菌を直接体の中に入れなければ、大丈夫です。
無菌の料理はありません。
ヨーロッパでは、塩素を義務づけている国はありません。
カルキ臭を水道水で感知されると、需要者からの苦情が来て、水道事業体自身の信
用がなくなるからです。
昨年8月、北欧のレストランに行ったら、ピッチャーに入れた水道水が出てきま
した。「自分の家でも水道の水を飲むのか」と尋ねたら、「もちろん」とウェイト
レスは答えました。
ロンドンの水道水は、100%緩速ろ過による水道水です。
また、残留塩素保持と言う考えはありません。
水道水が塩素臭いということはありません。
2002年7月、ロンドンにいる親戚から新聞記事が届きました。
「英国の水道水はほぼ完璧な清澄度に達した。水道会社はボトル水に対抗すべきだ。
ボトルの水を買う必要はない。 ・・・・・ 売られているミネラルウォーターと
比べてもよりソフトでよりおいしい。値段も1万分の1と安い。ロンドンは緩速ろ
過、残留塩素という考えはない。」
大人のアトピー患者は日本だけみたいです。
塩素のせいかもしれません。慢性毒への体の反応なのかもしれません。
(倶知安、京極の水のおいしいわけ)
簡単に言うと、
山に水が降る −> 森の落ち葉を通過 −>
微生物が水に混じった有機物をエサとして食べる −>
土の中を通過 −> 微生物が水に混じった有機物をエサとして食べる
−> AOCの低い水になる −> 伏流水、清水となる
という原理です。
この自然の原理を真似たのが、緩速ろ過です。
動いている水は、安全です。滞留している水は、そこにある土壌成分を取り込む
ので重金属を含むようになったり、硬水になったりします。
動いていれば、不純物を含む機会が減少します。きれいな水でいられます。
緩速ろ過は以前は国の補助金が出ませんでした。
私が緩速ろ過の宣伝を一人でしていましたたら、5,6年前から出るようになりま
した。
Q
茶色の水は北海道にたくさんあるが、飲用に駄目だと言われたことがあるが
本当に駄目なのか。透明度も高い。
A
アイルランドでは緩速ろ過で茶色のまま水道水を140年間供給しているが
問題は発生していない。
塩素を入れると問題(化学反応)が出てくる。
生物処理でAOCを無くせば、茶色でも問題はない。
微生物が利用できない有機物(微生物の体をそのまま通過)は、人間の体も
通過するので問題はない。
ただ、塩素を入れると問題が出てくる。
色は好みの問題。
水質基準も16年4月から変わる。
大腸菌群といって、常在菌も基準であったが、大腸菌だけになる。
これからは、山の清水・湧水も飲用適になるケースが増えてくるだろう。
基準は、都合によって作られることをおぼえておこう。
行政は、基準がないと動けない。
でも、基準は絶対的なものではない。
不耕起栽培の水田で緩速ろ過をするという話も出ている。無農薬・完全に無化学
肥料だそうです。
実は、緩速ろ過は日本にたくさんあります。
簡易水道は緩速ろ過が主流です。
100人以下なら水道法の基準に当てはまりませんので塩素はいりません。
ただ、補助金をあてにしてはいけません。色々な規制にぶつかるからです。
自分たちで簡易水道をつくること。
倶知安なら水道特区(塩素無添加)をつくり宣伝してみるのもいい。
一番経費がかからず、塩素無添加で安全でおいしい水を作れる方法が自然の原理
を真似た緩速ろ過ということを一般の人たちに知ってほしいと思っています。
Q
「原水は滅菌する必要はないが、水道管を通って各家庭の蛇口までの間で大腸菌
などが発生する可能性があるので塩素滅菌の必要がある」ということはあるので
しょうか?
また、配水管のなかで大腸菌が発生するとなれば、それは配水管の構造が悪い
ということになるのでしょうか?
A
水道管を通る間に、細菌が増えるかです。
それは、原水中に微生物が繁殖するための有機物がある場合です。
生物利用可能の有機物が無いと、微生物は繁殖しません。(AOC低い)
それは、水道協会雑誌71巻11号(昨年の2003年11月号)p9の下の注
を参照してください。渡辺義公先生らの対談の中で書いてあります。
「浄水技術開発と水道の未来」(p2−15)という座談会です。
塩素の問題について、日本の水道の将来について考えさせられることが多い記事
です。
急速ろ過では、浄化処理が不完全で、生物利用可能の有機物が残っているのです。
だから塩素を添加しないと微生物が繁殖します。
倶知安の場合、自然とゆっくりと微生物が働いた結果で、生物利用可能の有機物
は残っていません。(AOCの低い水)
水道管に外から汚水が流入するか。
それは、水道管から水漏れはしますが、圧力があるので、水道管に外から汚水は
入りません。
仮に、工事などで、水道管が濁っても、濁った水道水は住民はそのまま飲みません。
また、水質基準はこれまでの大腸菌群から大腸菌になります。
それも土壌由来で腸管由来のではないのがこれまでの検査方法で検出され、
問題になっていました。WHOが変更したので、日本も変えました。
参 考
新水質基準
(平成15年5月30日厚生労働省令第101号、平成16年4月1日から施行)
46項目から50項目へと拡大。(13項目追加、9項目削除)
大腸菌:検出されないこと(大腸菌群から変更)
トリハロメタンや新たな消毒副生成物の問題、クリプトスポリジウムなどの耐塩
素性の微生物による感染症の問題、内分泌撹乱物質などの新しい化学物質の問題が
新たに浮上してきたこともあり改正となった。
項 目 基 準
1 一般細菌 100個/ml以下
2 大腸菌 検出されないこと (新規)(大腸菌群の代わり)
3 カドミウム及びその化合物 0.01mg/l以下
4 水銀及びその化合物 0.0005mg/l以下
5 セレン及びその化合物 0.01mg/l以下
6 鉛及びその化合物 0.01mg/l以下
7 ヒ素及びその化合物 0.01mg/l以下
8 六価クロム化合物 0.05mg/l以下
9 シアン化物イオン及び
塩化シアン 0.01mg/l以下
10 硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 10mg/l以下
11 フッ素及びその化合物 0.8mg/l以下
12 ホウ素及びその化合物 1.0mg/l以下 (新規)
13 四塩化炭素 0.002mg/l以下
14 1,4-ジオキサン 0.05mg/l以下 (新規)
15 1,1-ジクロロエチレン 0.02mg/l以下
16 シス-1,2-ジクロロエチレン 0.04mg/l以下
17 ジクロロメタン 0.02mg/l以下
18 テトラクロロエチレン 0.01mg/l以下
19 トリクロロエチレン 0.03mg/l以下
20 ベンゼン 0.01mg/l以下
21 クロロ酢酸 0.02mg/l以下 (新規)
22 クロロホルム 0.06mg/l以下
23 ジクロロ酢酸 0.04mg/l以下 (新規)
24 ジブロモクロロメタン 0.1mg/l以下
25 臭素酸 0.01mg/l以下 (新規)
26 総トリハロメタン
(クロロホルム、ジブロモクロロメタン、ブロモジクロロメタン、
ブロモホルムのそれぞれの濃度の総和) 0.1mg/l以下
27 トリクロロ酢酸 0.2mg/l以下 (新規)
28 ブロモジクロロメタン 0.03mg/l以下
29 ブロモホルム 0.09mg/l以下
30 ホルムアルデヒド 0.08mg/l以下 (新規)
31 亜鉛及びその化合物 1.0mg/l以下
32 アルミニウム及びその化合物 0.2mg/l以下 (新規)
33 鉄及びその化合物 0.3mg/l以下
34 銅及びその化合物 1.0mg/l以下
35 ナトリウム及びその化合物 200mg/l以下
36 マンガン及びその化合物 0.05mg/l以下
37 塩化物イオン 200mg/l以下
38 カルシウム、マグネシウム等
(硬度) 300mg/l以下
39 蒸発残留物 500mg/l以下
40 陰イオン界面活性剤 0.2mg/l以下
41 ジェオスミン 0.00001mg/l以下 (新規)
H19.3.31までは既設水道で0.00002mg/l
42 2-メチルイソボルネオール 0.00001mg/l以下 (新規)
H19.3.31までは既設水道で0.00002mg/l
43 非イオン界面活性剤 0.02mg/l以下 (新規)
44 フェノール類 0.005mg/l以下
45 有機物(全有機炭素の量) 5mg/l以下 (新規)
(過マンガン酸カリウム消費量の代わり)
H17.3.31までは過マンガン酸カリウム消費量
10mg/l以下を適用可
46 pH値 5.8以上8.6以下
47 味 異常でないこと
48 臭気 異常でないこと
49 色度 5度以下
50 濁度 2度以下
参 考 2
不耕起栽培(冬季湛水不耕起栽培農法)
通常、秋の稲刈りが終わると、稲ワラを細かくすき込んで次年度の春には休耕
土を「天地返し」しますが、これはそれとは違って冬に田圃に水を張るという
方法です。
耕さないのでイネが根を張った穴がそのまま残り、不耕起を2〜3年続けると
スポンジ状になるそうです。イネが自分の根で耕す。表土を作ったのと同じ原理が
水田で起こるのだそうです。同時に藻類が大発生し、腐植質として土中に還元され、
不耕起水田は自前で堆肥を作るそうです。
不耕起水田では水中でワラが分解し植物プランクトンが大発生し、非常に水が
きれいになるそうです。
不耕起水田の溶存酸素量というのは、普通の水田の何倍もあるそうです。
藻類が酸素とプランクトンの供給源となって、それがドジョウやタニシなどさま
ざまな生物を棲息させ、水田の生物相を豊かにして、繁殖することにより、それを
捕食するシラサギやガンなどの鳥類も飛来するそうです。
冬場に水を張っておくと、残っていた株根から有機物の分解が始まり、イトミミ
ズなど微生物の脱糞によって柔らかい堆積層ができ、それが雑草の種を埋もれさせ、
夏場の雑草取りが不要になるばかりでなく、化学肥料の投入も不要となるとのこと。
生物が活躍するところが、緩速ろ過処理での生き物の活躍と同じという話。